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バルセロナの敗退  だいぶ遅くなったけど…

最近、UEFAチャンピオンズリーグの話題に触れていなかったが、ベスト8が出揃った。
僕が生まれてから、まだその時代の最強と呼ばれたどのクラブでも2連覇をしたことがない。
前年王者のFCバルセロナも例外ではなかった。
スペイン人監督ベニテス率いるリヴァプールに屈し、CLを去ることとなった。

昨年12月のFIFAクラブワールドカップ(以下CWC)の時に、
ライカールト体制になって初めてバルセロナを生観戦したが、正直ガッカリだった。
コンディションが悪いこともあったが、やはりエトオとメッシの不在というのが響いていた。
彼らはそのスピード、ドリブル、シュートなどの攻撃力で注目されているが、
それ以上に評価されてもおかしくないのが、献身的なチェイシングによる守備だ。
昨シーズンのバルセロナが得点力が高いだけでなく、
失点が少なかった理由はDFの力だけではない。
むしろ、DF個々のレベルを判断すれば、それほどすごい選手はいない。
簡単に言うと、バルセロナはチーム戦術でボールを奪うのが狙い。
1対1の場面を作らないようにするので、個の能力よりも連携で能力が発揮できるタイプが合う。
プジョルは評価の高いDFだが、対峙する選手のプレースタイル次第でチンチンにされるので、
僕の中ではそれほど素晴らしい選手という印象はない。
(良い選手だし、ファイティングスピリットは凄いが)

90年代初頭のACミランのプレッシングサッカーの具現者でもあったライカールトは、
プレスの質と量を自分なりにアレンジして、バルセロナのサッカーに取り込んだ。
フランコ・バレージのようなラインコントロールに長けた選手はいないが、
オフサイドトラップを多用する。
オフサイドはただDFラインを上げていれば良いわけではない。
その前段階でのプレッシャーが非常に重要になってくる。

しかし、バルセロナの中盤は、激しくプレスするわけでなく、
プレスは掛けつつもそこでボールを奪おうとはせず、
どちらかというとパスを出させるように誘っている。
この守備は、最終ラインでボールを奪う(オフサイドにする)方法。(守備の第2波とする)

なぜ、中盤のプレスがそれほど激しくならなくてもいいかというと、
守備の第1波がFWから始まるからだ。
エトオが近年のFWでは間違いなく守備に労を厭わない最高峰の選手だ。
また、メッシも同じで信じられないような運動量を見せる。
これによって、天才でありながら組織での守備に向かないロナウジーニョの存在を忘れさせ、
更には中盤がボールをカットして、速攻に持ち込むことが可能になる。
ここで中盤も一緒になってプレスしてしまうと、
ボールを奪える位置がヴォランチまで下がってしまい、
そのヴォランチには展開力のあるタイプよりも
守備で貢献するタイプを据えるバルセロナでは意味がない。
(最近は展開力のあるラファエル・マルケスを使うようになったが)
FWが限定するパスコースにポジショニングの優れたデコ、チャビ、イニエスタらが入ってボールをカットし、スピードを生かしたメッシ、エトオ、好き勝手に遊んでいるロナウジーニョを使うことができる。
この守備の第1波・第2波の組み合わせによって、
守備力だけでなく攻撃力も倍増させていたと僕は分析する。

今シーズンは、最初からメッシもエトオも離脱してしまい、守備の第1波が小さくなってしまった。
それが影響して、安定した力を発揮できないでいるように思える。
バルセロナのようなチームであっても、やはりベースとなるのは守備。
ただでさえお荷物のロナウジーニョを抱えているんだから、尚更だ。
やはりオシムが言うように、ファンタジスタには水を運ぶ選手が必要ということになる。
バルセロナの強さは、その水を運べる選手が、それ以外の部分でも非常に優秀であることだ。
脅威のドリブラー メッシ、天性のスピードでフィニッシュに持ち込むエトオ、
MFの資質を全て備えている天才的労働者デコ。
他のどのチームに行っても、唯一無二の主役になれる選手が、揃っている。
揃っていても出れないのであれば、意味がない。
出られる選手で同じことを求めるのは、非常に難しい。
ジュリは槍としては非常に優秀な存在だが、ボールがないと遊んでしまうタイプ。
基本的に前線やサイドに張ってしまうことが多く、守備での貢献は低い。
グジョンセンは悪くはないが、ロナウジーニョのマイナス1人を補うまでには至らない。
この守備の第1波が効果的でないから、第2波へも影響を及ぼし、
今シーズンは失点が多くなっている。
またDFの新加入選手が馴染みきれていないことも要因の1つなのかもしれない。
あとは、昨年までのコーチであり、本当の監督とも称されたテン・カーテが
チームを去ったことが影響しているか…
チャンピオンズリーグ敗退、そして国内リーグでも思ったように結果が出ないバルセロナ。
ホーム カンプ・ノウでのクラシコでは、随分派手な打ち合いとなって3-3のドローだったが、
ヨハン・クライフの厳しい指摘は、僕も同感だった。
バルセロナも酷かったが、レアルも酷い質のサッカーだった。
雰囲気を味わうために観戦していたとしたら、
終了間際のメッシ同点弾でハットトリックは盛り上がっただろうが、
サッカーそのものを味わうには、お粗末過ぎる内容だった。
やっぱり観に行きたかったと思う反面、CWCの時のようなやるせなさを感じていただろうと思う。
旅費・チケット代の総額で20万円を超えるかもしれなかった旅の価値はなかった。
行けなくて良かったと思う。

これからは、徐々にメッシもエトオもコンディションが戻ってくるだろうから期待はしているが、
リーグ優勝の行方はどうなることやら。
せめてリーグだけは獲ってもらいんだけど。

それから、クリスティアーノ・ホナウドに移籍が噂されているけど、
個人的にはバルセロナでプレーする彼を見たいとは思うが、
チームのバランスが悪くなるから必要ないな。
やはり補強のポイントは、センターバックとGK。
ヴィクトール・馬流出須は、ポカが多過ぎてもう我慢の限界。
いくら漢字が流行ってるからって、自分の名前入りの帽子はアカンやろ。
しかも全然かっこよくないんだよな。

馬鹿出須でええよ、お前はよぉ…
by neo_no14 | 2007-03-16 23:59 | ChampionsLeague


Futebol(サッカー)を愛する魂のBlog


by Neo_no14

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