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2007 Jリーグ 第23節 清水 vs 横浜FC

試合前に、横浜FC戦は非常に難しい試合になるだろうと予想していた。
横浜FCの突然の監督更迭があり、ベースは変わらないにしても、
新監督がどう変化を付けるかは読めない。
たった数日とは言え今までのリサーチで得た情報をどこまで信用していいのかわからなくなった。
また、選手のモチベーションが上がったのか、下がったのか、それによるプレーへの影響度までは、試合を実際に行ってみないとわからないことであった。
だから、試合前にそう予想していた。

では、試合が始まってからはどうだろうか。
前半10分を過ぎた辺りで、ここまで難しい試合になるようなことを横浜FCはしていただろうか。
答えは、明らかにNO。
横浜FCが良く頑張っていたことは事実。
でも、清水とは圧倒的な力の差があったことも事実。
この試合を難しくしたのは、言うまでもなく清水の選手自身に他ならない。

決定機をことごとく外した攻撃陣。
正直に言うと、チョ・ジェジンにしても矢島にしても得点能力は高くないFWだから、
あまり得点を期待してはいない。
だが、期待はしていないだけの話で、奪える時にきっちり奪ってもらわないと困る。
前半に関しては、矢島も良い動き出しから横浜FCの高いディフェンスラインを抜けたシーンがあり、
川崎戦で良くなったと感じた部分が継続できているかに思えたが、
後半に関しては、矢島もジェジンも棒立ちになるシーンが目立ち、
裏に抜けようとするのは淳吾か兵働だけだった。
彼らには2トップのメリットがわかっているのだろうか。
2トップのコンビネーションはどう構築しているのだろうか。
2トップが同じ事を同時にしているのは、ほとんどのシチュエーションにおいて意味を持たない。
この試合では、横浜FCは高いラインディフェンスを敷いているので、どちらかがラインの位置を抑え、どちらかがオフサイドにならないように飛び出すのが定石である。
これが一番シンプルで一番効率の良い攻め方だ。
試合も終盤に近付いてきて、肉体的な疲労もかなり蓄積された状態であったと思うが、
きちんと役割を果たさなくてはならないところだ。

”フェルナンジーニョは、毒薬”と表現する友達がいたが、確かにそうかもしれない。
調子が良い場合は、対戦相手にとっての毒となり、
調子が悪い場合は、味方の流れを消し去る毒となる。
ボールを持ち過ぎるシーンは、前よりは減ったとは思うが、まだまだ判断の遅さが目立つし、
ヒールパスのような確実性に欠けるパスが失敗することも多かった。

また、淳吾と兵働がその高いディフェンスラインを、時には最前線のサイドに張ったり、時には長い距離を走ったりして、再三抜け出していたにもかかわらず、清水のDFからのロングフィードは少なかった。
伊東輝悦と飛び出していない方の攻撃的MFがスルーパスを出すことはあったものの、普段は中盤でパスを出す役割の選手が、試合状況を見て中盤を省略してライン突破に活路を見出していたのに、それにチームとして呼応できないのは非常に痛い。
今までも散々ディフェンスラインからのビルドアップに物足りなさは指摘しているが、
こういう試合でチャレンジしないことは、本当に致命的である。

それにしても、対峙するディフェンスのウィークポイントを突いたり、ミスマッチを利用するのが甘い。
ベテランCBの室井に対しては、ハイボールでジャンプを繰り返させ、ドリブルを仕掛けてでダッシュをさせれば、瞬発力を要する動きに対応できなくなるのは言うまでもない。
もう1人のセンターバックには、清水からレンタル移籍している和田拓三が入っていたが、
ここはもっと高さで勝負するべきところだった。
それから、和田の弱点としては、注意力が散漫になることが挙げられる。
これは、室井に対して徹底的に仕掛けることで自分のポジションやマークよりもカバーを意識させることで、マーカーや自分側のスペースへのケアがかなり甘くなるのを見抜き、それを実行に移してほしかった。

レンタル中ということも有り、和田についても触れるが、横浜FCでほとんどの試合に出場しているだけあって、昔日本平で見た時のような、自信無さげにおどおどした様子は無く、堂々としたプレー振りだった。
プレーそのものよりも精神面での成長が、本来彼が出来るプレーをきちんと出せるようにしたのだと思う。

去年の8月も今年の8月も負けなしで夏場に強いという印象は強い。
しかし、この試合の後半は完全に足が止まっていたことは見逃せない。
同じ条件で戦っているはずの横浜FCの選手の方が、同点ゴールを奪おうと必死で足を動かしていた。
そんな中で動き続けていたのは、清水の出場選手で最高齢のテルだけだった。
何度もライン突破を試みた攻撃時の淳吾の運動量も多かったと言える。
33歳直前の選手がチームで一番動いていましたなんて、選手は恥ずかしいと思わないのだろうか。
テルは別格だ、と言う人もいるだろう。
その通り、別格だ。
でも、その別格の存在を超えるような選手が育たないと、近い将来的に厳しい。

この試合の選手交代に関しては、珍しくロジカルだったと言える。
特に守備を気にするまでもなかった右サイドバックを代え、前節に攻撃面で見事に活躍した戸田光洋を投入した。
そして裏のスペースにも飛び出せなくなり、運動量も落ちた矢島を岡崎慎司に交代させた。
戸田のファーストタッチは、決勝ゴールをアシストするクロスとなった。
前節同様、高過ぎずグラウンダーでもないタイミングの早いクロスは、ジェジンに合うボールだった。
ミートはしなかったが、当ててコースを変えることでボールはゴールに吸い込まれた。
戸田の縦の動きは、停滞気味だった攻撃を活性化させるものであった。
前線の運動量も岡崎が動き回ることで、大分取り戻すことができた。
しかし、チーム全体の運動量の低下は相変わらずで、防戦一方になるにつれて、
戸田の守備面での粗も見えるようになってきた。
そこをすかさず岩下敬輔をフェルナンジーニョに交代させることで、右サイドの守備の強化をし、
トップ下には岡崎、FWには戸田を入れてなんとか凌ぐことができた。
今までは不可解な選手交代が多かっただけに、このように明確な理由がわかる采配は逆に驚きだった。

とりあえず、色々と思ったことを書き殴ってしまった。
時間がないので、推敲もままならない状態でのアップ。
誤字・脱字・記憶違いは悪しからず。
by neo_no14 | 2007-08-31 07:11 | 清水S-Pulse


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